ボトル

真空二重構造のステンレスボトルは特に保温・保冷効果が高いとされ、長時間アウトドアで持ち歩くボトルにとって最も考慮したい性能の一つです。
これは、ステンレス素材をアウターとインナーの二重構造とし、その隙間の空気層から空気を抜き真空状態とすることにより、外気や持つ手の熱を断ってしまい（断熱）、中の飲み物への影響を最小限にすることで長時間温かい飲み物は暖かく、冷たい飲み物は冷たいままの状態を保つようにするものです。また、中の温度を外に逃がしてしまう放熱も避けることができます。

そもそもステンレスやアルミニウムなどの金属は丈夫ではありますが熱伝導率が高く、外気などの影響を受けやすい性質を持っています。つまり、外気温が低ければ、外気温を中の飲み物に伝わってしまい温かい飲み物はすぐに冷えてしまうし、その逆もしかりです。この状態を熱伝導率が高いといいます。

近頃流行りのアイスクリームスプーンなどはこの性質をプラスに利用し、指の熱を熱伝導率の高いアルミニウム素材によってアイスクリームを適度な硬さに柔らかくしてくれるのですが、ボトルの場合熱伝導率の高さはマイナスの効果しかありません。

そこで、金属が持つ堅牢性はそのままに二重構造とし、その間を真空化することで断熱してしまおうということです。
金属間に空気が入っていると、熱を与えると空気を構成している分子が激しく振動するため、熱伝導が発生します。この空気の層を取り去ってしまえば分子の存在がなくなりますので熱伝導は発生しないことになります。
※実際には完全に真空にすることはできないので若干の分子の振動により熱伝導は起きています。